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第2期GEMSIS計画概要


第2期実証型ジオスペース環境モデリングシステム(GEMSIS-phase II):
宇宙嵐に伴う多圏間相互作用と粒子加速の解明に向けて

概要

名古屋大学太陽地球環境研究所の研究プロジェクト「実証型ジオスペース環境モデリングシステム」(Geospace Environment Modelling System for Integrated Studies: GEMSIS)は、太陽から地球に至るダイナミックなエネルギーの輸送機構を理解するために、観測事実に根ざした実証型ジオスペース環境モデルの構築を目指します。

その方法論として、人工衛星による直接的な観測、地上に設置された観測網などによって得られたデータに基づいた経験モデルの確立と、現実的な数値シミュレーションを組み合わせ、観測とモデル間の矛盾を解消する方向でモデルの改良とジオスペース環境の理解を深めます。

第2期GEMSIS計画では、第1期GEMSIS計画(2007-2009年度実施)での基礎研究を基盤とし、太陽、磁気圏、電離圏の3つのコアチームを中心に、ジオスペースにおける各領域での実証型モデルを構築し、宇宙嵐時に強く発動する多圏間相互作用と高エネルギー粒子生成・消滅をになう物理機構の解明を目指しています。

そのためには、地上観測と衛星観測を含む多点観測で得られた多様な観測データを数値モデルを介して結合する研究手法の確立が本質的となるため、第2期GEMSIS計画では、地上観測、衛星観測、数値実験をつなぐ実証型モデルの構築とともに、異なるデータを同じプラットフォームで効率的に解析可能な総合解析ツールを開発し、コミュニティに提供することを予定しています。研究計画の実行にあたっては、これまで研究所が推進してきた磁場・光学ネットワーク観測、北海道短波レーダー等を含む関連する地上観測データを組み入れるとともに、コミュニティのニーズに応えて、太陽観測衛星ひのでのサイエンスセンターのタスクの一部や、ジオスペース探査計画ERGのサイエンスセンターの中核部分を担当する計画です。

なお、本プロジェクトは共同利用・共同研究拠点「太陽極大期における宇宙嵐と大気変動に関する調査研究」の中で実施されている、ジオスペース研究センターの4つの分野横断的時限プロジェクトの一つとして推進されています。

プロジェクトの特色


図1:プロジェクト概要図

  • 3つのタスクチーム(図1)の活動を柱に、実証型モデルに基づく、宇宙嵐時に強く発動する多圏間相互作用と高エネルギー粒子生成・消滅をになう物理機構の解明
  • 地上観測と衛星観測を含む多点観測で得られた多様な観測データを数値モデルを介して結合する研究手法(実証型モデリング)の確立
  • 異なるデータを同じプラットフォームで効率的に解析可能な総合解析ツールを開発
  • コミュニティのニーズに応えて、太陽観測衛星ひのでのサイエンスセンターのタスクの一部や、ジオスペース探査計画ERGのサイエンスセンターの中核部分を担当するサイエンスセンター機能を整備(図2)


図2:サイエンスセンター構想模式図